今回の研修旅行は二日間とも天気がよく、観光日和。
この日は、宿の伊香保からバスで1時間弱の中之条へ。
中之条には、天蚕飼育で国内最大規模の繭生産量を誇る【登坂工房】さんがあります。
天蚕は日本在来の野蚕で、幼虫はクヌギの若葉を食べ山野で生息し、緑色の糸を吐き美しい繭をつくります。
全国でも天蚕農家さんは少なく、見学できる貴重な時間。
バスの運転手さんには、今回の旅行は普段行かないようなマニアックな旅行ですね、と言われました。
…そうですよね。
到着して案内をしてくれたのは、登坂工房の代表の登坂さんと島村さん。
登坂工房さんの天蚕の歴史は、平成元年からはじまりました。
また皇居でも蚕の飼育がされており、その縁もあり平成22年には上皇后陛下が訪れたそうです。
まずはじめに、天蚕糸のことや、そこで作った作品について紹介して頂きました。
天蚕糸は、繊維のダイヤモンドと呼ばれ、光沢感のある薄緑色の糸。とても希少で高価な糸です。
敷地内には展示室の【天蚕館】があり、天蚕でつくったウエディングドレスや、着物など貴重な作品ばかり。
天蚕糸や商品の購入をすることができます。
ここでは卵を採るために、蛾をつがいにして籠に入れて交配させます。
籠の上部に卵がついています。この茶色大きな蛾から、緑色の綺麗な糸が出るのも不思議ですね。
卵は春先まで保存をし、その後クヌギの木のもとで孵化します。
孵化した幼虫は蛹となり成虫となって、また交配して卵を産むというサイクルになります。
乾燥された繭は米櫃に保存され、製糸へ。
繭も大ぶりで綺麗な緑色。
なかなか見ることができない天蚕の飼育を、生産者さんの生の声を聞けて皆喜んでおりました。
次回は、桐生市へ。