二日目の午後に訪れたのが、桐生市の【織物参考館・紫(ゆかり)】
桐生市は、西の西陣・東の桐生と呼ばれるほど織物文化が根付いており、歴史的にも関ヶ原の戦いで旗絹を一日で2,410疋も織り出したという逸話があります。
訪れた織物参考館・紫は現在でも、建物の奥でジャガード機が稼働しており、音を立てながら商品を織っておりました。
【のこぎり屋根】が特徴の建物が展示スペース。
採光用の窓を直射日光が入らない北側に向けて配置しているのが特徴で、終日安定した日が入るので、布の組織や配色などを見るのに適した建物となっております。
また織機の音が、屋根の形により乱反射し消音の役割も持っています。
建物の説明だけでも、「なるほど!」となっておりました。
今回は団体で行ったので、スタッフさんの丁寧な説明があり大変わかりやすい見学となりました。
まずは座繰りのお話。おっ、これはみんな昨日色々と聞いた話…。
そこに着尺を織る際には繭は何個必要かなど新しい情報も入ってきたりと、皆さん新鮮な情報に喜んでいました。
またここではさまざまな織機が展示されており、経糸に石をぶら下げているおもり機や、現在の結城紬などでもみられる地機、高機やジャガード機など、織機の歴史を感じられる素晴らしい施設です。
高機も間丁が長く、着尺向き。教室の織機と比べてだいぶ長いつくりになってます。
空引き機は、織機の上に紋引きという補助役の人が乗り、経糸を指示通り持ち上げて下の方が織る仕組み。
空引き機が機械化された織機が、ジャガード機で織りの効率がとても上がりました。
ここでは、そのジャガード機が動く様子も見せてくれました。
また特徴的なのがジャンボ高機。織機の幅は3.2mもあり、織るには3人の手がかかります。
中央に踏み木を踏む人、左右に投げ杼を投げ、受け取る役割の人がそれぞれいます。
生地の用途は、主にアメリカへの輸出用でカーテン生地などに使われたそうです。
日本最大の手織機。実物を見ると圧巻です。
そして桐生といえば、桐生織りの一つの桐生お召。このお召織りに必要なのが強撚糸ですが、この【八丁撚糸機】を使い右撚り・左撚りの強撚糸をつくります。
手で回して動く様子を見せてくれましたが、これも機械化され水力で回るようにして効率よく稼働させました。
他にも飛び杼を使い、リズム良く織る体験もさせてもらい充実した見学。皆さん喜んでいました。