酒見 一恵

東京校|専修科

初糸染め日

ゴールデンウイーク後半の五月一日、木綿の着尺用の化学染料による木綿糸染めを行いました。糸染めは初めての体験で、かせ状の糸のさばき方はぎこちなく、染める時は糸が思った以上に重たくなり、腰痛と戦いながらも夕方六時近くまで、何とか染め上げることができました。

 今回の着尺は、母にあげようと思い、経縞模様の柄と色は、母のリクエストの紫をメインにし、黄色と緑色の縞にしてみました。

 経縞の各糸の使用する割合を出し、染める色をカラーチップから選んで控えとしてチップを切り取っておき、染色当日に持参するようにとのこと。

 経糸と緯糸は、それぞれ八かせ使用するということでした。

各色の配分は染色日の前日ギリギリに東京校の手織り教室で、川下先生にそれぞれのかせ数を計算するのを教わり、バタバタとお世話かけてしまいました。染色前の準備不足を反省、次回は少しでもスムーズに準備したいと思いました。

 染色当日は、まず丹治先生にカラーチップをお見せして、基本になる染料の色を選んでいただきました。微妙な色調整には、先生が小さいボールに何色か染料を水で溶いて用意していただいたものを、少しずつ足していく、ということです。

 経糸は毛羽を取り除く加工を施された光沢のあるストレートな形状のコーマ綿糸を、緯糸は節のある糸を使います。

 糸は染める前準備として、かせ状の経糸、緯糸、それぞれを竿に通し吊した状態で、水を張ったシンクに浸水させておきますが、これは予め丹治先生が準備していただいたものを使いました。

 糸は染める直前に水から引き上げ、脱水機にかけてから、染液に入れていきます。

経糸3色、緯糸1色を、それぞれ選んだカラーチップに近づくよう薄い色の経糸から順に染めます。常温から徐々に温度を上げて染め上げていきます。

最初は色を足しながら欲しい黄色に調整していたつもりが、緑味を帯びてきてしまい、急きょ予定変更で、もう1色の緑に染めることにしました。これには結構焦りました。

 さすがに二度目の黄色は、時間はかかったものの、欲しい色に近づきホッとしました。

 欲しい色になったら、よく水洗いしてから脱水し、色止め剤に二十~三十分浸します。その後、脱水して両手でパンパンと引っ張って張りを与え、竿などに通して干します。

乾いたら、のり付けですが、糸の含水率を均一にしないと、糸の水分量の少ないものにのりを持っていかれるとのこと。できるだけ乾き具合を同じ状態になるよう気を付けました。三十分浸しておき、その後脱水して干します。

この干す時の糸の綾が見えるように整えるのですが、これが難しく、時計とにらめっこして焦りながらも何とか終えることができました。先生に半分手伝っていただいたようなものでした。

次回は少しでもスムーズに糸染めできるよう、予備知識ももっと頭に叩き込んでおきたいと思います。

染める時の姿勢も、コツを先生にお聞きしたので、今度は腰痛が出てこないように足腰を鍛えておきます。

 布の染色コースでの草木染めでは、染材による染め上りの色は風合いを楽しむのに対して、化学染料による染めは、欲しい色を作れる、というそれぞれの特徴を楽しむことも学べた一日でした。

 先生方、ご一緒だった皆さん、大変お世話になり、ありがとうございました。皆さんの染めていらっしゃった色、それらの配色も、自分の頭の中にない発想ばかりで、拝見できてとても新鮮でした。慣れない色調整に時間はかかったけれど、おかげさまで、大変楽しい糸染め日を迎えることができました。もちろん、丹治先生のランチは、染色以上に楽しみで、大変おいしくいただきました。本当にありがとうございました。